インサイドセールスのやり方4パターン!メリットや向き不向きも解説
2023.10.5しかし、具体的にどうやったらいいのか、導入の方法がわからないという方も少なくありません。
今回は、インサイドセールスのやり方を、概要とメリット・デメリット、そしてインサイドセールスが向いている商材・向かない商材の特徴とともにわかりやすく解説していきます。
これからインサイドセールスを導入しようと考えている方・インサイドセールスの活用方法がわからないという方はぜひ参考にしてください。
目次
インサイドセールスとは?
インサイドセールスとは、日本語で「内勤営業」を表す言葉です。
「内勤」とつく通り、顧客の元へ訪問することなく、自社のオフィスから遠隔で営業活動を行うことを指します。
反対に、従来の営業活動(いわゆる「外回り」)を、フィールドセールス(外勤営業)と呼んで区別します。
インサイドセールスとフィールドセールスの違い
インサイドセールスは、主に電話やインターネットを使った「非対面」「遠隔」での営業活動です。
電話やメールによって顧客に定期的に連絡を取るだけでなく、近年ではWeb会議ツールを使うことも増えています。
新しい営業活動の形として注目されていますが、従来の営業活動の前段階にあたるリード獲得をインサイドセールスの活動に含めることもあるため、企業によっては営業部門ではなくマーケティング部門が担当することもあります。
また、一言にインサイドセールスといっても様々な形があるため、単に営業活動を遠隔化しただけではないことに注意が必要です。
フィールドセールスは、顧客に訪問して対面で商談を行う、従来の営業方法です。
顧客と直接やり取りをするため、インサイドセールスでは拾いきれないような顧客の声を聞くことができたり、コミュニケーションによる信頼関係の構築ができたりというメリットがあります。
反面、成約率や営業力といった部分が属人的になりやすく、営業活動にかかる一件一件のコストが大きいというデメリットもあります。
このように大きな違いを持つインサイドセールスとフィールドセールスですが、決して相反するものではありません。
インサイドセールスとフィールドセールスを組み合わせ、両者で連携を取って営業活動を行うことで最も高い効果を発揮します。
インサイドセールスのメリット・デメリット
インサイドセールスは、フィールドセールスとは全く違ったメリット・デメリットを持ちます。
フィールドセールスとの違いとともに、確実に押さえておきましょう。
インサイドセールスのメリット
インサイドセールスのメリットは、なんといっても営業活動の効率を上げられることです。
従来のように、商談のたびに顧客を一件ずつ訪問する必要がないことから、営業担当者の時間的な負担を減らせますし、交通費のような金銭的なコストもなくすことができます。
また、顧客との関係づくりを重視して、見込みの高い顧客を探し出すこともインサイドセールスの手法ですので、商談の空振りを減らして成約率を高めることが可能なことも大きなメリットと言えるでしょう。
これらの効率化によって、浮いた予算や時間をさらなる営業活動の改善に充てることもでき、PDCAの回転率を向上させることができるのがインサイドセールスのメリットです。
インサイドセールスのデメリット
インサイドセールスのデメリットとして一番大きなものは、顧客との信頼関係を高めるのには向いていないことです。
顧客との信頼関係を高めるためにはやはり密なコミュニケーションが不可欠で、その点では直接対面で商談を行うフィールドセールスが優れていると言えます。
また、顧客と対面でやり取りをしないことで顧客の声を聞く機会も少なくなるため、単価の高い商材や、説明が複雑になるサービスには活用しづらいのもデメリットと言えます。
インサイドセールスは効率化の面では高い効果を発揮しますが、効率化だけが営業の成功に結びつくわけではないことをしっかりと覚えておきましょう。
ただし、こうしたインサイドセールスのデメリットは、フィールドセールスと組み合わせて連携化・分業化を図ることで、克服が可能です。
フィールドセールスとの連携は、フィールドセールスのデメリットを解消することにも繋がりますので、非常に有効と言えます。
インサイドセールスの向き不向き
インサイドセールスのメリット・デメリットを踏まえ、インサイドセールスが向いている商材とそうでない商材を分けて見ていきましょう。
インサイドセールスが向いている商材
インサイドセールスが向いている商材に共通するポイントは2つあります。
- 単価が安い
- 複雑な説明がいらない
インサイドセールスは、対面での商談を行わないことで、営業活動を効率化する手法です。
そのため、商談の重要性が比較的低い商材が、そのままインサイドセールスに向いている商材ということになります。
単価が安い商材・複雑な説明がいらない商材は、商談に長い時間を取らずとも、購入のハードルが低いため成約しやすく、インサイドセールスによる効率化のメリットが大きく発揮される商材です。
ただし、単価が高い商材にもインサイドセールスは有効です。
見込みの高い顧客を探し出すこともインサイドセールスの重要な活動のひとつですので、単価が高い商材を成約させるために必要な「リード育成」ができることから、インサイドセールスの導入によって成約率を改善できる可能性が高いのです。
インサイドセールスが向かない商材
インサイドセールスが向かない商材は、単価が高く、かつ複雑な説明が必要になる商材です。
単価が高い商材にもインサイドセールスを活用することは可能ですが、複雑な説明が必要な場合は、やはり対面での商談の方が効果が高いと言えます。
こういった商材でインサイドセールスを導入する場合は、インサイドセールスの役割をリード獲得やリード育成までにとどめ、フィールドセールスと分業する形で営業活動を行うことが大切です。
インサイドセールスの「効率化」というメリットを活かしつつ、フィールドセールスの強みを最大限発揮することを目指しましょう。
インサイドセールスのやり方は?
インサイドセールスのやり方として、以下の4種類のパターンがあります。
- リード獲得担当パターン
- リード育成担当パターン
- 全面インサイドセールス化パターン
- フィールドセールス連携・分業パターン
順番に解説していきます。
1.リード獲得担当パターン
リード獲得担当パターンのインサイドセールスは、フィールドセールスの営業活動の前段階にあたる、顧客との接点作りを重点的に行うパターンです。
架電やメールによって顧客候補となる相手にコンタクトを取り、リード獲得を目指します。
あるいは、Webマーケティングを通じてリードを獲得する場合もこのパターンに含まれます。
リード獲得担当パターンは、自社でリストをほとんど持っておらず、フィールドセールスを行おうにも相手がいないという場合に有効な手法です。
リストがないままにやみくもに営業活動を行っても空振りが増えてコストが大きくなってしまいますので、こうしたリード獲得担当の人材・組織を確保するだけでも営業活動の効率は大きく改善されるでしょう。
2.リード育成担当パターン
リード育成担当パターンのインサイドセールスは、社内で既に持っているリストに対して、自社の商品・サービスへの関心を高め、ナーチャリングを行うパターンです。
インサイドセールスがリード育成を担当する場合、リード獲得はマーケティング部門が担当することが多くなります。
リード育成の方法としては、メールマガジンを定期的に配信して興味を惹いたり、資料ダウンロードのような顧客側からのアクションがあった場合に積極的にコミュニケーションを取ったりというものが挙げられます。
リード育成担当パターンは、自社でリストを獲得する方法がある程度確立されていて、リスト数が確保できている場合に有効な手法です。
リストが多いと営業部門のリソースが分散されて、かえって成約率が上がらないことがあるため、インサイドセールスによってリードを育成し、営業活動をすべき相手とタイミングを見極めます。
特に、単価が高い商品を取り扱っている場合、顧客との関係づくりは時間をかけて行う必要がありますから、こうした活動が成約率に大きなプラスの影響を与えるはずです。
3.全面インサイドセールス化パターン
全面インサイドセールス化パターンのインサイドセールスは、従来のフィールドセールスが行っていた営業活動を、すべて非対面化・遠隔化してしまうパターンです。
フィールドセールスとの連携を重視するのではなく、フィールドセールスを完全にインサイドセールスに置き換えることを目指します。
具体的には、今まで顧客と対面で商談を行っていたところを、インターネットやWeb会議を通じたコミュニケーションに置き換えます。
近年では、コロナ禍の影響もあってWeb会議への抵抗感もほとんどなくなっており、かつ対面での商談を嫌う企業も増えていますので、新たな営業活動の形として生まれた手法と言えます。
全面インサイドセールス化パターンは、Webマーケティングの体制が社内で整っている場合や、商品・サービスの単価が低く成約のハードルが低い場合などに有効です。
フィールドセールスの弱点であったコスト面を完全に克服しているため、導入に成功できれば非常に高いコストカット効果を発揮します。
ただし、インサイドセールスの弱点はそのまま残ってしまいますので、このパターンが使える商材は限られることに注意してください。
4.フィールドセールス連携・分業パターン
フィールドセールス連携・分業パターンのインサイドセールスは、インサイドセールスとフィールドセールスを組み合わせつつ、サイクル的な営業活動を実現したパターンです。
インサイドセールスの主な活動として、リード獲得・育成から顧客へのヒアリング・提案を行い、商談に繋がったらフィールドセールスへバトンタッチします。
そして、成約できた場合はそのままフィールドセールスが担当し、成約できなかった場合は再度インサイドセールスに戻って改めてヒアリングと再提案を行うというサイクルです。
インサイドセールスが顧客との関係を温めた上でフィールドセールスにパスを出し、フィールドセールスは成約率の高い顧客との商談に集中できるため、成約率の向上とコスト削減の両方で高い効果を発揮する手法です。
フィールドセールス連携・分業パターンは、インサイドセールスはリード育成、フィールドセールスは商談というように、連携しつつもはっきりとした分業を行うので、それぞれの担当領域に集中して営業活動を行うことが可能です。
リード育成に長いプロセスを取っているパターンでもあるため、2のリード育成担当パターンと同様に、顧客との関係づくりを重視したい単価の高い商品で特に有効と言えます。
さらに、複雑な説明が必要な商材であっても、フィールドセールスが商談を担当することでインサイドセールスの強みを発揮することができます。
インサイドセールスを導入する場合のひとつの目標とされる形と言えるでしょう。
まとめ
インサイドセールスのやり方を4つのパターンに分類して解説してきました。
インサイドセールスは、高い効率化の効果を持つ新しい営業活動の形ですが、従来のフィールドセールスが有効な場面も多いことも事実です。
自社の組織体制や、取り扱う商材によって、インサイドセールスを導入する際の効果的なやり方は異なりますので、導入の際は自社に最も合うインサイドセールスのやり方はどれに当てはまるかをよく考えてみてください。
皆さんも自社の営業活動にインサイドセールスを取り入れることで、営業活動の効率化を目指していきましょう。