インサイドセールスでリードナーチャリングを行うメリットや手順を解説
2023.11.9そこで本記事では、インサイドセールスでリードナーチャリングを行うメリットや手順について解説します。成功させるポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
リードナーチャリングとインサイドセールスの関係
リードナーチャリングはマーケティング部門の業務です。一方、インサイドセールスは営業部門の業務です。インサイドセールスでナーチャリングを行う場合、それぞれの部門の情報の共有と連携が重要になるでしょう。ここでは、リードナーチャリングとインサイドセールスの関係を理解し、どのような役割を担っているか解説します。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、見込み客の購買意欲を高めるために情報提供などのアプローチを通じて、関係構築を目指すマーケティング手法です。見込み度合いに応じたコミュニケーションによって自社サービス・製品の認知や競合他社との差別化を図る役割を担っています。最終的には、購入・契約といった新規顧客の獲得が目的です。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、メール・電話・Web会議ツールなどを用いて行う非対面を中心とした営業スタイルです。主に顧客の潜在的な需要を引き出す役割を担っています。反対に直接顧客と会って行う営業をフィールドセールスと呼びます。
1人で開拓から受注まで担当していた営業活動を「インサイドセールス」と「フィールドセールス」に分業し、効率を上げるのが目的です。
リードナーチャリングにおけるインサイドセールスの役割
見込み客と継続的にコミュニケーションを取り、自社サービス・製品への興味を高め、商談につなげるまでが、リードナーチャリングにおけるインサイドセールスの役割です。見込み客をフィールドセールスに橋渡しする役ともいえるでしょう。
自社サービス・製品に興味を持つ時期は、企業や個人によって異なります。何がきっかけになるかわからないので、タイミングを逃さないようにリードナーチャリングでのアプローチの継続が大切です。
インサイドセールスでリードナーチャリングを行うメリット
昨今のインサイドセールスにおいて、リードナーチャリングは欠かせない施策になっています。見込み客との関係構築によって、営業活動の効率化などさまざまなメリットが得られるからです。ここではインサイドセールスでリードナーチャリングを行う具体的なメリットを紹介します。
営業活動の属人化を防げる
見込み客への接触回数やアプローチなどの情報を記録すれば、リードナーチャリングの流れを管理・分析できます。営業内容が可視化されるため、営業力の低い担当者であっても成果を出しやすい環境が生まれ、属人化を防げます。担当者の力量に左右されないため、組織全体の生産性も上がるでしょう。
また、インサイドセールスからフィールドセールスに引き継ぐ際も、スムーズに進みやすく見込み客との信頼関係が崩れづらいメリットもあります。
成約率・受注率の向上につながる
リードナーチャリングをインサイドセールスが担えば、購買意欲の高い見込み客をフィールドセールスに受け渡せます。担当者は確度の高い相手に専念して営業できるため、全体の成約・受注率が向上します。また、確度の低い営業が減り、効率的に業務ができるので、コスト削減にも期待できるでしょう。
見込み客の取りこぼしを防げる
フィールドセールスは購買意欲の高いリードからアプローチをかけていくため、以下のように判断した見込み客は放置されてしまいます。
- 直近で購入の予定がない
- 情報収集がメイン
- サービス・製品への興味が薄い
インサイドセールスでリードナーチャリングを行えば、このような見込み客が将来購入を検討するまで、地道に関係を築けます。そのため、フィールドセールスのフォローが追いつかず、本来獲得できたはずの見込み客の取りこぼしを防ぐ手段として有効でしょう。特にBtoB商材は一つの単価が高く、購入までに時間を要するので、大きなメリットと言えます。
インサイドセールスで行われるリードナーチャリングの手法
インサイドセールスで行われている具体的なリードナーチャリングの手法には、どのようなものがあるのでしょうか。ここからは、インサイドセールスで使われる主なリードナーチャリングの手法を解説し、それぞれの特徴やメリットをお伝えします。
メールマーケティング
定期的に情報を発信する「メルマガ」や、属性ごとに内容を変更して送る「セグメントメール」などを使い、コンテンツを提供する方法です。メールマーケティングは、電話と比べると実施のハードルが低く、見込み客に受け入れられやすい傾向があるでしょう。
電話に出てもらえない見込み客へのアプローチとしても有効で、中長期的にコミュニケーションが図れる点も特徴です。また、メールの開封率・URLのクリック率・ファイルのダウンロードといったアクションを数値化し、効果を測定できます。
これらの数値は内容の改善・ニーズの把握につながるほか、ナーチャリングの進行度合いの確認や架電の判断基準にも役立ちます。
テレマーケティング
テレマーケティングは、電話で見込み客とコミュニケーションを取り、商談につなげる方法です。情報提供や見込み客の悩みの解決を通じて、リードナーチャリングを行います。似て非なる言葉の「テレアポ(過去に接点がない相手に対して電話営業する)」と混同しがちなので、注意してください。
移動時間の必要がなく、全国あるいは海外の見込み客とコミュニケーションが取れるので、幅広く効率的なリードナーチャリングができる点が特徴です。また、メールでは収集が難しいリアルな意見をサービス・製品に反映させれば、顧客満足度の向上につながるメリットもあります。
オンラインセミナー
「メール」と「電話」がインサイドセールスの代表的な手法でしたが、コロナ禍以降はオンラインセミナーの需要が高まっています。リモートワークが普及したため、開催・視聴しやすい環境が整っているのが理由だと考えられます。
画面を通してやりとりができるので、メールや電話では伝えづらい詳細内容の説明や製品を直接見てもらえる点が特徴です。また、質疑応答など双方向のコミュニケーションによって、顧客との距離を一気に縮められる可能性があります。
インサイドセールスでリードナーチャリングを行う手順
インサイドセールスでリードナーチャリングを行うにはしっかりとした準備が必要です。顧客に対して適切な情報を提供するには、事前準備が重要になるでしょう。ここでは、自社サービス・製品に合ったターゲットやペルソナの設定から効果測定の改善まで、具体的な手順をお伝えします。
1.ターゲットとペルソナの設定
自社のサービス・製品に合ったターゲット(想定する見込み客)の設定から始めましょう。ターゲットを具体的にイメージするためには、ペルソナの設定が必要です。ペルソナは、年齢や職業だけでなく、詳細情報まで考えなければなりません。
- 居住地
- 家族構成
- 年収
- 学歴
- 趣味
- 休日の過ごし方
具体的に設定すれば、ターゲットの課題や悩みに寄り添った施策の立案につながります。またリードナーチャリングの際は、設定したペルソナに合わせた行動が重要です。なお、ペルソナの詳しい作り方は以下のサイトを参考にしてください。
参照:ペルソナの作り方を解説!ターゲットを絞ったマーケティングを行うために
2.カスタマージャーニーの設計
ペルソナを設定したら、カスタマージャーニーの設計に入ります。カスタマージャーニーとは、ペルソナが製品を認知してから購入に至るまでの次のプロセスを示すものです。
1.メールマーケティングで製品を知ってもらう
2.ホワイトペーパーなどペルソナの興味に応じた情報提供をする
3.インサイドセールスで見込み客の興味関心を深める
4.商談に持ち込みフィールドセールスで最適な提案をする
5.購入する
どのタイミングで、どのようなコンテンツを提供すればペルソナが次のフェーズに進むかを考えた設計が重要です。中長期的な視点を忘れないようにしましょう。
3.見込み客の状態を明確化
見込み客へのアプローチを考えるために、見込み客の状態を明確にしましょう。例えば、以下のようなケースが想定できます。
- メルマガのURLリンクを開いた見込み客
- 製品の資料請求をした見込み客
- テレマーケティングを実施している見込み客
当然ながら、見込み客の状態によって最適なアプローチは異なります。見込み客にそぐわない行動を取ると、ネガティブな印象を与えるので注意が必要です。また、見込み客の情報(業界・規模)を集めたら、そこからどういった課題や興味を持っているか仮説を構築しておくと良いでしょう。
4.見込み客のセグメント分け
これまでまとめた情報をもとに見込み客を、以下のような属性や行動などに応じてセグメントで分類しましょう。
<属性の例>
・企業規模・所在地
・業界・業種
・役職・所属部署
・決裁権の有無
<行動の例>
・Webサイトの閲覧履歴・頻度
・問い合わせ・資料請求の有無
・製品に対する理解度
・購入履歴・回数
特性や傾向でセグメントを分ければ、グループごとに最適な施策をしやすくなります。ただし、細かく分類しすぎてしまうと実施に時間がかかり、効率が低下するので注意してください。
5.効果測定と改善
ここまで終わったら、マーケティング施策を実施して、効果測定と改善をしましょう。顧客がどのように反応するかは、行動するまでわかりません。そのため、PDCAを効果的に回すのは重要です。施策の分析をして、改善と修正を繰り返しながら効果的なリードナーチャリングを実現します。
インサイドセールスでリードナーチャリングを成功させるポイント
インサイドセールスでいきなりリードナーチャリングを導入しても、失敗に終わる可能性があります。成果を出すためには、いくつかポイントを押さえておきましょう。ここでは、効果的なナーチャリングを行い、成功へ導く大切なポイントを解説していきます。
顧客視点で考える
インサイドセールスは、基本的に非対面で行われるので、コミュニケーションがとりづらいです。さらに、相手の心が一度離れると取り戻すのは難しいでしょう。そのなかで、見込み客のニーズや気持ちを引き出すためには、顧客視点に立ち物事を考えなければなりません。
つまり、顧客が求めているものを正確に汲み取り、適切なタイミングでの発信が重要です。コンテンツ作成や商談する前に、過去に受注・成約に至った事例を営業部門からヒアリングしておくと想像しやすいでしょう。
社内での情報共有・連携を積極的に図る
一般的に、インサイドセールスは営業部門、リードナーチャリングはマーケティング部門が担当しています。そのため、インサイドセールスでリードナーチャリングを行う場合は、部門間の情報共有と連携が欠かせません。
部門間の境界をなくし、見込み客の行動履歴や商談の成立可否、進捗状況など積極的に連携を取れば、円滑で精度の高い施策が実現できます。うまく進められるようにこれまでのやり方を見直し、新しく仕組みを作っても良いでしょう。
見込み客へのアプローチの方法に注意する
見込み客にアプローチするタイミング・方法は非常に大切です。間違ったタイミング・方法で行うと、成果が得られないどころか見込み客に不信感・嫌悪感を抱かせてしまうでしょう。その結果、購入につながったかもしれない顧客を失う最悪のケースも考えられます。そのため、顧客の分析を通じて適切な施策を常に意識しなければなりません。
MAツールの導入を検討する
一連のマーケティング施策を効率化・自動化するツールの総称をMA(マーケティングオートメーション)ツールと呼びます。MAツールによって、メールマーケティングの自動化・顧客分析・効果測定が行えるので、大幅な生産性の向上が期待できます。より効果的なリードナーチャリングを実現するためにも、MAツールを導入する価値はあるといえるでしょう。
まとめ
ここまでインサイドセールスでリードナーチャリングを行うメリットや手順、成功のポイントについて解説してきました。リードナーチャリングをインサイドセールスが担えば、成約率や受注率の向上につながります。顧客の購買プロセスが多様化・複雑化が年々進んでいるため、今後はこのようなアプローチが主流になるかもしれません。
インサイドセールスによるリードナーチャリングがうまく進んでいない場合や、自社だけ行うには不安がある企業は、支援サービスを利用するのも一つの手段です。特に多くの企業に成果をもたらした実績を持つビアフロスがおすすめです。ぜひ、参考にしてください。