営業が変わるメタバースの可能性について
2022.1.13「メタバースをビジネスに活用するヒントがほしい」
このような考えをもつビジネスマンや、企業の担当者もおられるのではないでしょうか。
メタバースとは、現実世界とは別のバーチャルな仮想空間で活動することを指します。最近使われるようになった馴染みが薄い言葉です。
記事では、メタバースの詳しい概要と現状、これからビジネスに活用できるのか?という点をポイントに解説しています。
メタバースをもっと知りたい方は、記事内容をぜひご確認ください。
目次
メタバースとは?ビジネス活用の可能性を探る
メタバースとは、インターネット上の仮想空間のことを指し、さまざまな人がアバターを使って仮想空間に参加できる仕組みです。
メタバースのビジネスの活用について、考察します。
Facebook社による取り組み
メタバースはゲームの世界では古くから存在し、特にオンラインゲーマーの間では、すでに馴染み深いものとなっています。
ヘビーユーザーは、1日の大半をメタバースで過ごす人もいるほどです。
任天堂が発売したゲーム「あつまれ動物の森」で、メタバースの世界があらためて広く知られるようになりましたが、Facebook社が社名を「Meta(メタ)」に変更して、メタバース開発にシフトすることを発表し、メタバースの言葉がより注目されるようになりました。
現在、Facebook社あらためMeta(メタ)社は、FacebookやインスタグラムをVR環境下で一括で利用できるアプリの開発に取り組んでいます。
ゲームやSNSからビジネスチャンスへ
ゲームやSNSの世界では、すでにメタバースによる交流は盛んに行われています。
仮想空間で、部屋や服をカスタマイズしつつ、友達を呼んで交流するメタバース上の経済活動の中にビジネスチャンスを見出します。
自社のブランディングや販促にも、メタバースを活用できる余地は大いにあるでしょう。
RPGのオンラインゲームは、敵を倒す目標に向けてオンライン上で協力するシステムで、本来のメタバースとは趣旨が異なりますが、アイテムの売買もビジネスチャンスの一つと言えるかもしれません。
メタバースは時間や場所の制約がない
メタバースの魅力の一つ、場所や時間の制約について解説します。
国境を超えた交流が可能
インターネットに接続できる環境があれば、どこからでもメタバースへ参加することができます。
基本的な言語の問題がクリアできれば、自宅の中からでも国際交流が可能です。
メタバースとは、ジャンルが少し違いますが、オンラインゲームのFPSではリアルタイムに世界中のゲーマーがゲームに参加し、チームを作ってゲームを楽しむことができます。
自宅にいながら、ゲームを通じて国民性の違いをダイレクトに体感できるのです。
共有感を高めることができる
メタバースは異なる場所から同じ時間にアクセスし、交流を行うため、独特な共有感を高めることができます。
アメーバピグやあつまれ動物の森は、共有感をテーマに作られたゲームで、みんなで一つのことを成し遂げる楽しみも提供しているゲームです。
メタバース内でのイベントは、過去に一時期流行した音声型SNSのクラブハウスに似ており、今後メンバーシップ型のビジネスに発展する可能性もあります。
オンライン展示会とメタバースの違いは?
オンライン展示会とメタバースに明確な違いはあるのでしょうか。
明確なビジネスの名目がない
オンライン展示会は、明確なビジネス目的を持って開催されますが、メタバースは、バーチャルの広場に集ったり、自宅に訪問するなど、実生活の延長として捉えられています。
したがって、オンライン展示会のビジネスモデルをいきなりメタバースの世界へ持ち込むと、うまく噛み合わないでしょう。
少し前までは、仮想空間はひと括りにして語られることが多かったのですが、最近では、仮想空間もカテゴライズされるようになり、今の時点では、メタバースとビジネス用途のオンライン展示会などは、明確に分けられています。
自由な交流を中心に
現実の延長線上にメタバースがあるという考え方は、Facebookやインスタグラムのようなアプリと高い親和性をもちます。
メタバースでは、アバターを介して、Facebookやインスタグラムを使った交流が行われ、ブロックチェーンをつかった承認作業や、暗号資産をつかった金銭のやり取りが実現するでしょう。
金銭のやり取りが活発になると、あたらしいビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
メタバースのビジネス活用
現状、メタバースをビジネスに活用し、新しい営業のスタイルを構築することは可能なのでしょうか。
BtoBやBtoC営業について考察します。
BtoBのメタバースはこれから
メタバース上では、今後経済活動が展開される可能性が高いため、ビジネスチャンスは大いにあるでしょう。
現在、一部のネットショッピングではAR技術をつかって、リアルな買い物体験ができるようになっています。
メタバースではVR技術を使って、仮想店舗で買い物したり、アイテムを購入することができるようになるでしょう。
したがって、エンドユーザー向けの営業活動はメタバース上で有効に機能することが予想されます。
メタバースはエンタメ色が強いため、BtoB営業の雰囲気には適していません。しばらくの間はオンライン展示会で情報を収集し、インサイドセールスなどによって完結する流れが継続される見込みです。
SNSマーケティングには最適
BtoC営業は、メタバース上でエンドユーザーと接触することができるので、販促やブランディングの施策を展開することで、成果を得られるようになるでしょう。
インサイドセールスやWEBマーケティングの、カスタマージャーニーマップやリードナーチャリングの施策に併せて、適宜イベントなど行うとより良い成果を期待できます。
仮想現実の世界をより現実世界に近づける試みは、まだ始まったばかりです。
これからの新しい展開に期待したいところです。
メタバースのプラットフォーム
メタバースを身近な存在として流通させるには、確かなプラットフォームが必要です。
現状を考察してみましょう。
SNSやゲーム業界が牽引
現在のメタバースプラットフォームを確認したところ、確固たる地位を築いているプラットフォームはありませんでした。
これから有力なメタバースのプラットフォームが出てくる段階でしょう。
メタバースの身近なプラットフォームは、ゲームやSNSです。
任天堂の集まれどうぶつの森やアメーバピグが現在、有力なメタバースのプラットフォームに該当します。
ゲームやSNSに付随したプラットフォームだと、ユーザーはスムーズに移行してくれるでしょう。
暗号資産とメタバース
メタバースで暗号資産が使われるようになると、現実世界の経済とは別の経済が確立される可能性があります。
世界では、銀行口座を作れない人々が一定数存在しますが、メタバース内で暗号資産を持つことができ、流通するようになると、メタバースで暗号資産を稼いで、現実世界の交換所で現金に換金することができます。
経済の観点から考えるとメタバースの発展は、現実世界の経済にも少なからず影響を与えるでしょう。
まとめ
メタバースは、Facebook社のあらたな取り組みによって注目されるようになった言葉です。
似たような試みは、オンラインゲームの世界において以前から実施されていました。
メタバースは、より現実世界の生活スタイルをそのまま持ち込める仮想空間で、今後は買い物など、金銭のやり取りが発生する経済活動も活発になると見られています。
エンタメ色が強いメタバース上で、アバターを介して商談やプレゼンを行うことは雰囲気が合わないため、BtoB営業では、しばらくの間、オンライン展示会やウェビナーから商談へつなげる流れが主流となるでしょう。
メタバースが今後どのように進化していくか、動向が楽しみです。