BtoB企業におけるブランディングの必要性
2022.3.24確かな技術力は持っているのに、個性が弱く選ばれないケースに苦しんでいる企業は多くあります。逆にブランディングさえうまく出来ていれば、技術力をカバーできるケースもあるのです。
当記事では、BtoB企業にブランディングが必要な理由と、ブランディングについて網羅的に解説しています。根本的な競争力に課題を感じている企業の方は、ぜひ記事内容をご確認ください。
目次
BtoB企業にブランディングが必要な理由
エンドユーザーを対象とするBtoC企業はブランド価値で優位に立てることが多くありますが、BtoB企業の場合、ブランディングはどのような効果を生むのでしょうか。
販促の強力な武器となるブランド
いくら技術力に裏付けされた良い商品を作っても、使ってもらえなければ実感してもらうことができず、良さをわかってもらうことができません。商品そのものの良さと合わせて、ブランドイメージを形作るサイドストーリーや、コンテンツによって、商品まわりを補強する必要があります。
比較検討に挙げられたときの最後のひと押しとなるのは、案外ブランド力であることが多いのです。
取引先とのリレーション構築にも有効
ブランディングの確立は、BtoB企業の取引先にも良い印象を与えます。BtoB企業の宣伝、広告をテレビや電車で見かけることがあります。BtoB企業が広告を出す理由は、世間一般に広く認知してもらい、競争力をつけるためです。
世間に広く名前が知れ渡っている、CMでなんとなく名前を聞いたことがある、というアドバンテージがあると、新規の企業と取引を始める時に信用を得ることができますし、既存の取引先に対しては、さらなる信頼感を積み上げることができます。
日本のBtoB企業がもつ課題
日本の企業は長い間、確かな技術力を売りにビジネス展開を行っていましたが、現在では状況が変わり、技術力を補足する新たなアピールポイントが必要となりました。
技術力の売り込みが苦手
技術力を売りとする日本の老舗企業は、WEBサイト上で確かに良い商品を紹介しており、説明もしっかりなされているのですが、ロゴを隠してみると、途端に他社製品との違いが明確にわからなくなる、差別化に弱いケースがよく見られます。
差別化ができている企業は、プレゼン資料の段階から、明確なブランディング、差別化を行っており、選ぶための理由を添えている分、比較検討に挙がった時に選ばれやすいのです。
価格競争に弱い
高いものを売るときは、明確な動機づけとなるものがなければ安い商品に負けてしまいます。
「高い技術力に裏付けされた価格」だけでは説得力にかけるため、サイドストーリーや築き上げたブランド力で、説得力を強化しなければいけません。
近年では、安い中国製品の品質が少しづつ向上しており、安さと量で押す域を抜けつつあります。日本の製造業を始めとする企業は、喫緊の課題として自社のブランド力を磨き上げていく必要があります。
ブランディングが企業にもたらす効果
ブランディングはビジネスに欠かせない重要な施策ですが、具体的にどのような効果があるのでしょうか。
以下4つのポイントにて解説します。
差別化による競争力の強化
ビジネスに差別化は必要な要素です。BtoB企業の場合は、企業内で比較検討候補として挙がった場合に、選ばれるための強みや特徴を持つことが重要です。
一言で言い表すことができる特徴がなければ、いつも次点で終わる、ということになりかねません。ブランド力は、担当者が上司に商品を推薦するときに添える理由としては、十分効果的です。
ブランド力の有無は、明確な差別化を図ることができます。
優秀な人材の確保につながる
販促には直接関係ありませんが、メディアや、WEBマーケティングを通じて築き上げたブランドは、新卒採用や中途採用において、求める人物像に出会いやすくなります。
明確な会社のイメージやカラーが知れ渡ると、理念に共感した人が募集に反応してくれるため、人材採用がスムーズになります。
ブランディングを行う時は、人材確保の観点から企業理念のメッセージが伝わる内容も盛り込んでおくと良いでしょう。
紹介案件の増加
思い通りのブランディングができると、取引企業において良い口コミや評判を獲得することができます。良い評判は大きな信用となり、プレゼンの資料に事例として組み込むことができるため、大きな武器となるでしょう。
良い評判はよいチャンスを呼び込むもので、横のつながりによる紹介案件を貰える可能性が高まります。
ブランディングは企業としての木の幹を大きくする施策で、良い幹には、多くの枝はがつくのです。
BtoB企業のブランディング戦略
BtoB企業がブランディングを行う上で取るべき戦略のステップを、4つの項目に分けて解説します。
ゴール、目標の設定
始めに決めることは、目標やゴールの設定です。目指すべき理想像が鮮明であればあるほど、的確な道筋を立てることができます。
ゴールや目標の設定はとても大事な項目なので、競合他社や業界研究を行いながら、時間を掛けて決めましょう。
商品価値の再認識、提供価値を考える
自社が提供するサービスや商品を改めて定義し、どのような価値を与えることができるのか、考え直します。
自社のサービスを提供することで、顧客に何を与えることができ、どのような変化をもたらすことができるのか定義することで、他社との差別化ポイントがより鮮明になります。
自社商品の再定義は、ブランディングのヒントにもなりうるでしょう。
届けるべきターゲットを明確にする
進むべき道と、それに伴う商品、サービスの設定ができたら、ターゲットの選定を行います。性別や年代、既婚、独身、労働環境など、多くの分類が可能です。
できる限り細かく絞り込んだほうがよりメッセージがダイレクトに届きやすくなります。
自社の商品、サービスにピッタリな顧客層を特定しましょう。
届けるための媒体や手法の選択
最後は、情報発信につかう媒体、プラットフォームを選定します。
情報発信のための媒体はさまざまありますが、ターゲットとする顧客に合わせます。ティーン向けであれば、SNSの中でもTikTokが良いですし、20代から40代以降の幅広い世代であれば、TwitterやYouTubeも良いでしょう。
地方に住んでいる高齢者向けの場合は、地方新聞を使う選択肢も考えられます。
まとめ
ブランディングは企業の総合力を底上げする
BtoB企業はエンドユーザーへの販促を目的としないため、ブランディングは必要ないようにも思えますが、ブランド力の差は検討の候補としてあがったときに選んでもらうための、最後の決め手となります。
選択を失敗した時は責任を問われるため、担当者が決定を下す時はかなり慎重になります。したがって、有力な理由で担当者の後押しをしなければいけません。
選ぶ時の理由として、ブランド力は説得力があり、仮に失敗したとしてもしょうがないと思ってもらえる可能性も高いのです。確固たるブランドが確立されれば、多少強気の価格設定を行っても、競合他社と互角に渡り合うこともできます。
ブランディングは、企業のもつ総合力を根本から底上げする、重要な施策です。企業としてさらなる高みを目指す時は、ブランディングにも注目したいところです。