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カスタマーサクセスとは?定義や仕事内容について解説

2024.12.19
カスタマーサクセスは、単なる問題解決に留まらず、顧客の成功を目指すアプローチを意味します。特にサブスクリプション型ビジネスが普及した現代において、顧客との継続的な関係性が事業の成長を左右する鍵となっています。本記事では、カスタマーサクセスの概要やその意義、導入のポイントなどを詳しく解説します。
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カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、製品やサービスを提供した後も、顧客と積極的に関わりながら「顧客の成功」を実現することを目指したアプローチです。この取り組みは、顧客が製品やサービスを最大限に活用し、その結果として目標を達成できるよう支援することに焦点を当てています。

この概念は、セールスフォースの創業者マーク・ベニオフ氏によって提唱され、特にサブスクリプション型ビジネスの普及に伴い、その重要性が高まっています。顧客との長期的な信頼関係を築き、満足度を向上させることで、企業の解約率の低減や収益の増加を図ることが期待されています。

カスタマーサポートとの違い

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、いずれも顧客との接点を持つ重要な役割を担いますが、そのアプローチや目的には大きな違いがあります。

カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせやトラブルに対応する受動的な活動を中心としています。一方で、カスタマーサクセスは、顧客が抱える潜在的な課題を先回りして解決する能動的な支援を行うことを目的としています。例えば、顧客が製品を効率的に利用できるよう、定期的なトレーニングやウェビナーを開催することが挙げられます。

また、カスタマーサポートは一般的に「コストセンター」として位置付けられ、主に問題解決を通じて顧客満足度を高めることに注力します。一方で、カスタマーサクセスは「プロフィットセンター」として機能し、アップセルやクロスセルの促進、顧客のライフタイムバリュー(LTV)の最大化を目指します。

これにより、カスタマーサクセスは企業の収益向上に直接的に貢献する重要な役割を果たします。具体例として、カスタマーサポートは「問い合わせがあった商品の操作方法を説明する」のに対し、カスタマーサクセスは「顧客が利用しているサービスの活用状況を分析し、最適な使い方を提案する」といった違いがあります。

このように、両者は役割が補完的であると同時に、企業にとっては異なる目的を持つ重要な部門です。

カスタマーサクセスが必要な理由

カスタマーサクセスが注目される背景には、ビジネスモデルや消費者ニーズの変化、そして技術進化の影響があります。これらの要因が、顧客との長期的な関係を構築し、満足度を高めるための戦略として、カスタマーサクセスを不可欠なものにしています。

サブスクリプション型ビジネスの普及

サブスクリプション型のビジネスモデルでは、顧客がサービスを継続利用することが収益のポイントとなります。このモデルでは契約がゴールではなくスタートであり、解約のリスクを最小化するために、顧客に価値を提供し続けることが大切です。

例えば、SaaS業界では、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の満足度向上に注力することで、契約更新率を向上させる企業が増えています。カスタマーサクセスは、このような継続的な関係構築の中心的な役割を担っています。

営業スタイルの変化

従来の「売り切り型」の営業スタイルから、「売ってから始まる」スタイルへの移行が進んでいます。この変化に伴い、顧客の購買後の体験を充実させることが求められています。

例えば、新規顧客の獲得には既存顧客の維持よりも多くのコストがかかるため、既存顧客との信頼関係を深め、アップセルやクロスセルを促進する方が効率的であることが分かっています。こうした背景が、カスタマーサクセスの必要性を一層高めている要因です。

デジタル技術の進化

デジタル技術の進化により、顧客データの収集・分析が容易になりました。これにより、個々の顧客のニーズを正確に把握し、パーソナライズされた対応が可能となっています。

例えば、CRMツールを活用することで、顧客の行動履歴や利用状況をもとに、最適なフォローアップや提案を行う企業が増えています。このような技術的進歩は、カスタマーサクセスを実現するための重要な基盤です。

消費者ニーズの多様化

市場が成熟するにつれて、消費者のニーズは多様化し、製品やサービスに求められる価値が変化しています。単なる機能や価格ではなく、利用を通じて得られる体験や成功が重視されるようになっています。

例えば、製品購入後のアフターサービスやサポートが充実していることで、顧客は「この製品を選んでよかった」と感じることができます。カスタマーサクセスは、こうした成功体験を顧客に提供する手段として注目されています。

カスタマーサクセスのメリット

カスタマーサクセスを導入することで、企業は顧客との関係性を強化し、事業の持続的な成長を実現することが可能です。特に競争が激しい市場環境においては、カスタマーサクセスが提供する価値が競争優位性を確立する大切な要素となります。

他社との差別化

類似した商品やサービスがあふれる現代では、他社との差別化が大切です。カスタマーサクセスは、顧客の課題を深く理解し、解決に向けた支援を能動的に提供します。このプロセスは、単なる製品の機能や価格ではなく、顧客に対する「体験価値」を提供する点で競合他社との明確な違いを生み出します。

例えば、カスタマーサクセスを導入した企業では、顧客の利用状況に応じた最適な提案を行うことで、顧客満足度を高め、他社に移るリスクを低減しています。こうした付加価値を提供することで、競争の激しい市場でも顧客から選ばれる企業へと成長することが可能です。

クロスセルとアップセルに導ける

カスタマーサクセスは、顧客のニーズを的確に把握することで、クロスセルやアップセルの提案を自然な形で行うことができます。これは顧客が現在利用している製品やサービスを深く理解したうえで、適切な補完商品や上位プランを勧めることを可能にします。

例えば、あるSaaS企業がカスタマーサクセスを活用して、基本機能を利用している顧客にプレミアムプランを提案し、業務効率化のサポートを提供することで売上を向上させたケースがあります。このように、顧客の成功を優先した提案が、企業収益の増加に直結します。

顧客満足度の向上

カスタマーサクセスは顧客の目標達成を支援し、その過程でポジティブな体験を提供します。この結果、顧客満足度が向上し、顧客との長期的な関係性が築かれます。満足した顧客はリピーターになるだけでなく、口コミや紹介を通じて新規顧客の獲得にも貢献します。

解約率の低減

サブスクリプション型ビジネスでは、解約率の低減が事業成功のポイントになります。カスタマーサクセスは、顧客の課題を早期に発見し、解決することで解約のリスクを軽減します。また、定期的なフォローアップやプロアクティブな支援を行うことで、顧客が感じる価値を最大化します。

例えば、ある動画配信サービスでは、視聴データをもとに顧客の好みに合ったコンテンツを推奨するカスタマーサクセスの取り組みを導入し、解約率を大幅に改善しました。こうした取り組みは、顧客の継続的な利用を促し、安定的な収益をもたらします。

カスタマーサクセスのデメリット

カスタマーサクセスの導入は、企業と顧客の関係を深め、長期的な成長を支える強力な手法ですが、全ての企業にとって完璧な解決策ではありません。具体的には、コストや時間がかかる点、必ずしも期待した効果が得られない可能性がある点がデメリットとして挙げられます。

コストと時間がかかる

カスタマーサクセスの基盤を構築するには、部門の立ち上げや専門人材の採用、CRMツールの導入など、多くのリソースが必要です。これらの準備には時間がかかり、また初期投資も大きくなるため、中小企業にとっては負担が重い場合もあります。そのため、即効性を期待する企業には向かない場合があります。

必ず効果がでるわけではない

カスタマーサクセスの効果を最大化するためには、顧客のニーズに即した「成功」の定義と、それを実現するための適切なアプローチが不可欠です。しかし、これらが不十分であれば、どれだけリソースを投下しても思うような成果を得ることができません。

例えば、顧客が求めているものが、製品デザインの改良と定義して取り組みをした場合、実際の顧客ニーズは製品機能の向上である可能性もあります。こういったミスマッチが原因で、解約率を低下させるどころか、不満が蓄積し解約が増加することもあるでしょう。このように、顧客ニーズの的確な把握ができなければ、カスタマーサクセスの導入が裏目に出ることもあります。

カスタマーサクセス導入のポイント

カスタマーサクセスを効果的に導入するには、顧客データの活用、個別対応の工夫、そして組織全体での取り組みが大切です。これらのポイントを押さえることで、顧客の満足度を高め、企業の成長につなげることができます。

顧客データの分析と収集

顧客の成功を実現するには、顧客が何を求めているのかを深く理解する必要があります。そのために、顧客データの収集と分析が欠かせません。CRMやSFAなどのツールを活用することで、行動履歴や利用状況を効率的に把握し、的確なフォロー戦略を立てることが可能です。

例えば、ある企業では、CRMシステムを導入して顧客の利用データを一元管理することで、顧客の課題を先回りして解決し、満足度向上につなげました。こうしたデータ活用により、顧客理解が深まり、効果的な対応が可能になります。

顧客に合わせたサービスの提供

カスタマーサクセスでは、全ての顧客に同じ対応をするのではなく、それぞれのニーズや価値に合わせたサービスを提供することが求められます。顧客をハイタッチ、ロータッチ、テックタッチのように分類し、それぞれに適したサポートを提供することで、リソースを最適化しつつ顧客満足度を高められます。

例えば、高付加価値の顧客にはマンツーマンのフォローを、一般顧客にはウェビナーやチャットボットを活用した対応を行うことで、効率よく顧客の期待に応えることができます。

組織全体で取り組む

カスタマーサクセスは、営業部門だけでなくマーケティングや開発、サポートなどの部門が一体となって取り組む必要があります。部門間で顧客情報を共有し、連携することで、より一貫性のある対応が可能になります。

カスタマーサクセスの業務内容

カスタマーサクセスの業務は、顧客が提供されるサービスや製品を最大限に活用し、成功体験を得られるようにサポートすることを目的としています。以下に、主要な業務内容を紹介します。

サービスの利用促進

顧客がサービスを使いこなせるようになることは、カスタマーサクセスの第一歩です。特に、導入時に顧客がスムーズにサービスを使い始められるように支援するオンボーディングが大切です。初期段階でつまずくと解約リスクが高まるため、適切な教育やチュートリアルの提供が求められます。

例えば、新たなCRMツールを導入した企業に対して、初期設定のサポートや機能説明のウェビナーを提供することで、利用促進につながります。このような支援は、顧客ロイヤリティを高め、長期的な関係構築を可能にするでしょう。

利用状況のモニタリング

顧客のサービス利用状況を継続的に監視し、課題を早期に発見することも大切な業務です。ログイン頻度や機能使用率といったデータを活用し、利用が少ない場合には積極的にフォローを行います。

例えば、ある機能がほとんど使用されていない場合、その機能の使い方を説明するガイドを提供するなど、適切なアクションを取ることで、顧客がサービスをより効果的に活用できるようにします。これにより、満足度向上と解約率低減を図ることができます。

ユーザーコミュニティの運営

同じサービスを利用する顧客同士が知識や経験を共有できる場を提供することは、カスタマーサクセスの効果を高めます。オンラインコミュニティの運営は、顧客同士が課題を解決したり、新しい活用方法を発見したりする機会を生み出します。

例えば、定期的なユーザーミーティングやフォーラムを開催し、成功事例や課題解決の方法を共有する場を設けることで、顧客満足度とエンゲージメントの向上が期待できます。このような取り組みは、顧客の離脱防止にも効果的です。

カスタマーサクセスの流れ

カスタマーサクセスを効果的に実施するには、目的の明確化から施策の実行と検証まで、段階的なプロセスを踏むことが大切です。この一連の流れを通じて、顧客との長期的な関係構築とサービス価値の最大化を目指します。

目的を整理する

カスタマーサクセスを導入する際には、まず目的を明確にする必要があります。顧客に成功体験を提供するために、目標を具体化し、全社的に共有することが大切です。

例えば、解約率の低減や顧客満足度の向上、アップセル・クロスセルの促進など、達成すべき具体的な指標を設定します。これにより、顧客にとっての「成功」と自社の事業目標をリンクさせることができます。

プロセスの整備

次に、カスタマーサクセスのプロセスを整備します。顧客の利用状況に応じたアプローチを標準化し、効率的な運用が可能な仕組みを構築します。

たとえば、サービス導入初期のオンボーディングフェーズでは、初期設定の支援や基本操作の説明を徹底するなど、顧客の立ち上げをスムーズにするプロセスを設計します。また、CRMツールを活用して顧客データを一元管理し、進捗状況をモニタリングする体制を整えることで、より効果的なサポートが可能になります。

施策の実行と検証

整備したプロセスに基づき、具体的な施策を実行します。たとえば、利用頻度が低い顧客に対するフォローアップや、成功事例を共有するためのセミナーの開催が挙げられます。実行した施策は定期的に評価し、達成度を検証します。特に、顧客からのフィードバックを収集することで、改善ポイントを見出し、施策の質を向上させることが大切です。

まとめ

カスタマーサクセスは、顧客満足度を高めることで解約率を下げ、企業の収益向上に直結する重要な取り組みです。その効果を最大化するには、顧客データを活用した分析や、部門間の連携、適切なプロセスの整備が必要です。これらの要素を的確に実行することで、企業は顧客との長期的な関係を構築し、継続的な成長を実現することが可能になります。

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