データドリブンマーケティングの必要性とは。失敗も踏まえてご紹介
2022.2.10目次
データドリブンマーケティングとは
データドリブンマーケティングを簡単に言うと、「あらゆる顧客や市場のデータ収集や分析を行い、顧客に提案をするマーケティング手法」のことです。
従来のマーケティングでは、経験や知識が多い人の経験則や直感でマーケティングを行うケースも少なくありませんでした。しかし、2022年となった現在ではIT技術の発展によってさまざまなITツールやITサービスが開発され、多くの分野であらゆるデータの統計や分析が可能となりました。たしかに経験者による長年の経験や知識による予測も当たることもありますが、あくまで人の考えである以上、その正確性は確実とは言えません。その点、データはこれまでの実績や傾向を明確に読み取ることができ、過去に起こった揺るぎのない事実として表すことができるのです。
データドリブンマーケティングのメリット
さまざまなマーケティングの手法がある中でデータドリブンマーケティングを取り入れることのメリットはいくつかあり、今回はその代表的な例をご紹介していきます。
提案の信憑性が増す
マーケティングを行う上で最も重要とも言えるのが、「提案の信憑性」です。
マーケティングの依頼をする顧客の多くは集客や業務の効率化に悩みや問題を抱えています。その悩みや問題を解決する為の手法や解決策を得ることを目的としてマーケティングの依頼をするのです。また、顧客からすれば、マーケティングの依頼をする時だけでなく対策を打つための資金もかかってしまうことがほとんどです。そのため、企業内の資金を無駄にしないように少しでも可能性が髙いモノ、納得できる対策を欲しているのです。そんな時、根拠の無い提案や効果が見込めない提案は受けることができないため、データドリブンマーケティングによってデータの統計や傾向を踏まえることで提案の信頼度が増すのです。
自信をもって提案ができる
マーケティングにおいて解決策を提案する時には、顧客に合った提案や顧客の為になる提案が必要です。しかし、いかに良い提案でも、その提案をする側に自信が無ければ顧客は不審に感じてしまい信頼度が下がってしまうのです。その点、データドリブンマーケティングを行い、より質の高いデータや統計があることで顧客へ提案する内容の絶対的根拠として自信が持つことできるのです。
一見、”データではなく精神論だ”とも思う方もいらっしゃるでしょうが、顧客の心理としても「より自信を持って提案してくれる人に任せたい」という気持ちがあるので、データドリブンマーケティングのようにデータを扱うマーケティングにおいても非常に重要なことなのです。
市場の動きや傾向が把握できる
データドリブンマーケティングの3つ目のメリットとしては、顧客の業種の市場の動きや傾向が把握できるという点です。顧客の問題点を解決するには、ただ闇雲に案を出せばいいというわけではなく、しっかりとした根拠が必要です。そして、何かしらの問題が発生する時には必ずその理由が存在し、一定の傾向が見えてきます。そのため、データドリブンマーケティングを行いその傾向や市場の動きを把握しておくことで、適切な対策を打つことができるのです。また、データドリブンマーケティングによって最新のデータだけでなく、過去のデータも集めることで、過去の実例を元に改善策を見つけ出すことができるのです。
データドリブンマーケティングのデメリット
データドリブンマーケティングにはさまざまなメリットがありますが、メリットに対してのデメリットも生じてしまうのです。データドリブンマーケティングを行う際にはデメリットも把握する必要があるため、代表的なデメリットをご紹介していきます。
データ集めに時間がかかる
データドリブンマーケティングを行う為には、正確で質の高いデータを集めて分析を行う必要があります。そのため、より多くの情報やデータを探し出す必要があり、データドリブンマーケティングの際にはデータを集めるだけでも長い時間がかかってしまうこともあるのです。
正しいデータと誤ったデータの見極めが必要
近年、インターネット上でさまざまな情報が飛び交っており、正しいデータがあれば誤ったデータも多く発信されているのです。そのため、データドリブンマーケティングを行う際にはその中でもより正確なデータを見極めなければいけません。
データドリブンマーケティングが必要な理由とは
次は、先ほどご紹介したデータドリブンマーケティングのメリットとデメリットを踏まえてデータドリブンマーケティングが必要となる理由をご紹介していきます。
専門の業界で働いていてもデータを分析している人は少ない
マーケティングを行う際には顧客の業界に関する専門知識があればあるほど的確なマーケティングができますが、実際に働いている顧客の方がよりリアルな情報を把握しているケースが多いのです。「それならマーケティングなんて必要ないんじゃないのか」と思われる方もいると思いますが、いかに専門知識やリアルな情報を知っていようとも、データドリブンマーケティングのようにより正確なデータの集め方、適切な分析となると容易にできるものではありません。そのため、その業界で働いていてもデータを集めて分析と改善を行っている方は少なく、データドリブンマーケティングを行うことで顧客が気づかないような発見を見つけ出すことができるのです。
独自データがあれば信頼度が増す
データドリブンマーケティングのメリットでもご紹介したように、顧客に対してのマーケティングを行う際には提案の信憑性が重要であり、データドリブンマーケティングによってデータや傾向を踏まえた提案をすることで、より顧客からの信頼を獲得することができるのです。その際には、少し調べれば出てくるようなデータではなく、独自の調べ方や分析によるデータを保有していた方がより信頼度を獲得できるのです。
データドリブンマーケティングを行う為のツール3選
データドリブンマーケティングを行う際には、専用のツールを使用することでより効率が上がります。それでは、データドリブンマーケティングの代表的なツールを3つご紹介していきます。
MA(マーケティングオートメーション)
「MA」とは、マーケティングの作業や実行を自動化して、顧客の属性に合わせて適切なアプローチをかけることができるツールなのです。MAを導入することで見込み客の獲得や業務の効率化を図ることができるのです。
SFA(セールスフォースオートメーション)
「SFA」とは、営業活動や成約などの全体的な効率を向上させるための営業支援システムのことです。営業担当向けの顧客や案件管理の機能があったり、マネージャー向けの営業の分析やレポートなどの機能もついています。
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
「CRM」とは、顧客の購入履歴やクレームなどの情報を管理するシステムのことです。主に顧客の満足度向上や関係性を管理する目的として利用されます。
データドリブンマーケティングでよくある失敗とは
データドリブンマーケティングを行う上ではさまざまなメリットや必要性がありますが、そのうえでいくつかの失敗例もあるのです。データドリブンマーケティングの代表的な失敗例をご紹介します。
古いデータを集めてしまう
先ほど記述したように、近年さまざまな情報が飛び交っているため、中には誤った情報があります。また、中にはデータの根拠やソースが古いモノがあり、顧客に誤った情報や古いデータを提示してしまうということもあるのです。そのため、データドリブンマーケティングを行う際には、そのデータが公開されている時期や現代との状況の違いなどを照らし合わせる必要があるのです。
専門用語まみれの資料
データドリブンマーケティングで正確なデータを集め、より専門的なデータを算出しようとした際にはどうしても専門的な知識が含まれてしまうケースが多くあります。しかし、マーケティングに詳しくない顧客に対して知りもしない専門用語を多く並べるほど顧客は提案の内容を理解しにくくなってしまい、伝えたい内容が伝わりきらないというケースもあるのです。そのため、顧客に提示するデータを作成する際には、できるだけ専門用語は含めずにわかりやすい言葉で伝えるべきなのです。もし、どうしても専門用語を含めなければいけない際には、専門用語の解説も同時に入れておくことで、より顧客に分かりやすいマーケティングを行うことができるのです。
まとめ
ここまででデータドリブンマーケティングのメリット・デメリットを踏まえた必要性などについてご紹介してきました。
共通点として言えるのは「データドリブンマーケティングは顧客の為の提案であり、顧客の満足度向上が最優先」と言えるでしょう。そのため、いかに自分の中では良いマーケティングだと思っていても、顧客側が納得できて満足できなければ良いマーケティングとは言えません。
また、データドリブンマーケティングでは正確なデータや対策を重視するあまり、どうしても専門的な話を含まなければいけないケースも多くあります。しかし、そんな時は専門家が見てやっと理解できるような内容ではなく、全くの初心者でも理解しやすいようなデータのまとめ方にも気を使う必要があるのです。