インサイドセールスとテレアポの違いとは?成功のポイントまで解説!
2023.9.7しかし、インサイドセールスはテレアポと「目的」や「指標」など明確な違いがあります。
本記事では、具体的に何が違うのかを詳しく解説していきます。インサイドセールスを運用して成果を出すポイントについても解説するので、ぜひ参考にして下さい。
目次
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、訪問をせずに営業活動を行う非対面型の営業手法です。
顧客に電話やチャット、オンライン商談などを利用してアプローチを行い、リードの見込みが高い顧客をフィールドセールスへ引き継ぐ役割を担います。コミュニケーション履歴の記録や顧客情報の整理など、顧客データの管理を行うこともあります。
また、商談もオンライン上で行うことが一般的となっているため、商談をインサイドセールスが担当する場合もあります。
インサイドセールスとテレアポの違い
インサイドセールスとテレアポは混同されることがありますが、活動目的が異なります。
下記では違いについて詳しく解説していきます。
目的の違い
インサイドセールスとテレアポで最も大きく違うのは、活動目的です。
インサイドセールスは顧客とコミュニケーションを取り関係性を深め、リードの関心度を引き上げていき、購買意欲が高まった状態でアポイント獲得を目指します。
一方で、テレアポもアポイントを獲得しますが、顧客の興味・関心は重視されず、アポイントを一件でも多く獲得することに重点が置かれています。
インサイドセールスは購買促進型の営業であり、テレアポは新規開拓の営業の一部と位置付けることができます。
成果指標の違い
インサイドセールスとテレアポは成果指標が異なります。テレアポの場合は、一般的にアポイントを何件獲得したかを成果指標とする場合が多く、質よりも量が求められます。
具体的には、テレアポは一度の電話で顧客の検討ステータスに関わらずアプローチをして興味を引き、アポイントを獲得することを目的にしているためです。
一方で、インサイドセールスの場合は顧客と間接的なコミュニケーションをとって関係性を深めていき、顧客の興味・関心が高まったところで商談に進むことを目的としています。
以下で、よく設定される成果指標の例をまとめました。
インサイドセールス 成果指標 例 | テレアポ 成果指標 例 |
---|---|
・受注数、受注率 | ・架電率、架電数 |
・受注額 | ・アポ獲得数 |
・商談化数、商談化率 | ・平均架電単価 |
・架電率、架電数 | ・平均通話時間 |
・メール開封率 | ・稼働率 |
成果を得るまでの時間
インサイドセールスは成果を得るまで長い時間がかかり、一方でテレアポは短時間で成果が得られます。
インサイドセールスは顧客と定期的にコミュニケーションを取りアプローチをして、関係性を深めます。見込み顧客を育成して引き継ぎを行うためにはある程度の時間を要します。顧客へのアプローチは1回で終わりではなく長期的な活動が前提のため、成果を得られるまでに時間がかかる傾向にあります。
一方で、テレアポでは一斉に顧客リストに対して電話をかけてアポイント獲得を目指します。インサイドセールスのように、コミュニケーションを取って関係性を深めるわけではなく、できる限り短期的におこなわれるのが一般的です。
他部門との連携
インサイドセールスでは、マーケティングからリードを引き継いで、フィールドセールスと連携して受注を目指します。フィールドセールスへ見込み顧客を引き継いでも、受注になかなか至らない見込み顧客はフィールドセールスから戻されてしまいます。
インサイドセールスで顧客を育成し直して、再び購買意欲が高まった状態で引き渡すといった連携が必要になります。
一方で、テレアポは多くの企業で独立した部門として設置されています。
フィールドセールスに獲得したアポイントを引き渡す役割はありますが、基本的にはそれ以外の関わりはありません。
テレアポでは顧客フォローを行わないため、フィールドセールスから戻されることもなく、独立した組織として扱われることが一般的です。
インサイドセールス成功のポイント
インサイドセールスを成功させるポイントについて詳しく解説していきます。
少人数で立ち上げる
新しくインサイドセールスの組織を立ち上げる場合、色々な部署の人材や、必要不可欠なツールなど多くのコストが発生します。最初から複数の商材やサービスで立ち上げると失敗することが多く、混乱を招く可能性があります。そのため最初は少人数で始めるのが良いと思います。
意思決定はトップダウンでおこなう
インサイドセールスは日本で導入している企業がまだ少ないため、インサイドセールスの事例や知見が出回っていないこともあります。そのため、意思決定はトップダウンで行い、タイミングに応じてインサイドセールスの組織の目的を明らかにすることが良いケースもあります。
テレアポ成功のポイント
テレアポを成功させるポイントについて解説していきます。
断られる度に落ち込まない
自社の商品に興味のない顧客にもアプローチするため、断られる可能性が高いです。
電話をかけただけで怒る人もいるため、モチベーションを維持することが大切です。
断られたり、怒られる度に落ち込んでいるとモチベーションが下がるため、自身で断られてもダメージを受けないように工夫を施しましょう。
セールス感が出る言葉の使用を避ける
電話で押し売りをしていると判断された場合、本題に入る前に途中で電話を切られる可能性があります。
そのため、テレアポでは「商品の販売」などのセールス感が出る言葉の使用は避けて、「商品のご案内」など、聞くことにメリットがあると判断してもらえるように、言葉を工夫してアポイント獲得を目指しましょう。
インサイドセールスで成果を出す4つのツール
効率よくインサイドセールスを行うためにはフィールドセールスやマーケティング部門との連携を円滑にしたり、顧客情報を保存して適切なタイミングでフォローをする必要があります。
インサイドセールスを効率よく運用するために、上記のような場合で役立つ様々なツールについて4種類紹介します。
MA(マーケティングオートメーションツール)
MAとは、マーケティングオートメーションの略称であり、マーケティング業務である反復作業や、定型業務を自動化する機能が備わっているツールです。WEBサイトの分析、問い合わせフォームの作成、メール配信などが可能で、それぞれの効果測定も可能です。
また、属性や関心度などでセグメントしてマーケティング施策を実行することも可能です。MAを使用することで、より効率的に営業活動ができるでしょう。
SFA(営業支援ツール)
SFAは、Sales Force Automationの略称であり、営業活動に関する情報の管理をして業務を効率化させるツールです。
案件情報やリード情報だけでなく、商談予定や顧客とのコミュニケーション履歴なども管理できます。蓄積されたデータを分析することも可能です。
また、フィールドセールスへの情報共有が円滑になるだけでなく、記録も共有できるので改善方法の発見や、評価のフィードバックに役立てることができます。
CRM(顧客関係管理ツール)
CRMは、Customer Relationship Managementの略称であり、「顧客管理」や「顧客関係管理」と訳され、顧客情報の分析結果を可視化させるツールです。
CRMにより顧客情報を一元管理して、リードスコアリングやリードナーチャリングも可能です。
オンライン商談ツール
近年、コロナ過の影響もあり、多くの企業で導入されたのがオンライン商談ツールです。
オンラインで相手と顔を見ながら会話することができるため、対面と同じくらいの質の高い商談が可能になります。
インターネットとPCがある環境ならどこでも行うことができ、宿泊費や交通費などの経費や移動時間の削減をすることができます。
インサイドセールス導入時のポイント
インサイドセールス導入時のポイントについて解説していきます。
ITリテラシー
導入したツールを使いこなすには、一定以上のITリテラシーが必要です。
プログラミングの知識がなければスムーズに運用できない製品もあるため、エンジニアのような人材がツールを管理する必要があります。
エンジニアや同等の知識を持っている人材がいない場合は、適した人材を雇用するか、事前に社内で担当者を選定し勉強してもらいましょう。
「BANT情報」と呼ばれる情報の収集
テレアポと混同されている組織や部門では、適切なヒアリングができない可能性があります。
ヒアリングを行う際には、「BANT情報」と呼ばれる情報を確認することで、顧客の見込み度を判断することができます。
・Budget:予算
サービス・製品を導入するための予算があるか
・Authority:決定権
実際の決定権をもつ相手にアプローチできるか
・Needs:必要性
相手方のニーズや要望が組織全体のものであるか
・Timeframe:導入時期
導入するタイミングが決まっているか
商談時のヒアリング項目としてBANT情報を活用することで、「商談成立の見込み度はどのくらいなのか」を把握しやすくなります。BANTが揃っている案件は成約率が高くなりやすいので、インサイドセールスを成功させるために必ず確認しましょう。
インサイドセールスに向いている適切な人員の配置
インサイドセールスを成功に導くためには、インサイドセールスに向いている適切な人員を配置することが重要になります。インサイドセールスに向いている人の特徴を以下にまとめました。
・電話・チャット・オンライン商談ツールを使ったコミュニケーション能力が高い
・継続する精神力・チャレンジ精神がある
・タスクの処理スピード・事務処理が速い
・事実ベースで報告ができる
まとめ
インサイドセールスとテレアポの違いについて解説してきました。どちらも電話を使って営業を行うので混同されることがありますが、営業手法の違いを理解しなければ、思ったような成果にはつながりません。記事を参考にして、インサイドセールスとテレアポの違いを理解できれば幸いです。