アトリビューションとは?広告への効果やツールの分析について解説
2024.10.30目次
アトリビューションとは?
アトリビューションとは、ユーザーがコンバージョンに至るまでに接触した各広告の貢献度を計測する手法です。例えば最初の広告である「認知」の段階に貢献度を割り当てる方法や、最後の広告である「購入」の段階に貢献度を割り当てる方法があります。
複数の広告がある中で、どの広告がコンバージョンに繋がっているかを見極めることで、広告運用の改善に繋がります。アトリビューションは、予算配分やマーケティング戦略を実施する上でも重要なもでもあるため、分析方法を理解しておくことが大切です。
アトリビューションの重要性
アトリビューション分析では、マーケティング施策の効果を正しく評価できるため、最適な予算配分や戦略を打ち出すことに繋がります。一方でアトリビューション分析をしなければ、広告の費用対効果が低くなったり、実施できるマーケティング施策が限られるでしょう。そのため自社に最適なマーケティング施策を実施するためにも、アトリビューション分析は重要と言えます。
アトリビューションが重要なポイントは下記の通りです。
- 複雑な顧客行動を解き明かし、各マーケティングチャネルの貢献度を明らかにできる
- 顧客理解を深め、パーソナライズされたマーケティング施策を展開できる
複雑な顧客行動を解き明かし、各マーケティングチャネルの貢献度を明らかにできる
アトリビューション分析では、複雑な顧客行動を明らかにできます。アトリビューションには各マーケティングチャネルの貢献度を測定する6種類のモデルがあり、企業やタイミングによっておすすめの分析方法はさまざまです。
6種類のモデルには、最後に接触したメディアや広告だけが成果に貢献していると考える「ラストクリックモデル」や、ユーザーが最初にクリックしたメディアや広告が成果に貢献したと考える「ファーストクリックモデル」などがあります。
アトリビューション分析では、自社に合うモデルを用いて各マーケティングチャネルの貢献度を明らかにできるため、効果の出やすい施策を打ち出しやすくなります。
顧客理解を深め、パーソナライズされたマーケティング施策を展開できる
アトリビューション分析をすることで、パーソナライズされたマーケティング施策を展開できます。アトリビューション分析では、Webサイト内でのユーザー行動を分析するため、顧客ニーズを詳細に把握できるからです。
そのため分析で得られたデータを活用しながら、自社のターゲットに合うマーケティング施策を展開できます。アトリビューションは企業がデータに基づいた意思決定を行い、持続的な成長を実現するための必須ツールとも言えるでしょう。
アトリビューションモデルの6種類
アトリビューションモデルとは、販売やコンバージョンに至った広告の貢献度をコンバージョン経路のタッチポイントにどのように割り振るか決めるルールのことです。
アトリビューションで活用するモデルは主に6種類存在します。ここでは、アトリビューションモデル6種類を詳しくご紹介します。
- ラストクリック
- ファーストクリック
- 線型
- 減衰
- 接点ベース
- データドリブン
使用するモデルにより、各広告の貢献度が異なるため自社やタイミングに合ったモデルを活用しましょう。
ラストクリック
ラストクリックは、最も一般的なアトリビューションモデルで、最後のタッチポイントだけが成果に貢献していると考えるモデルです。例えば複数の広告を出し、最後の広告キャンペーンでコンバージョンに至った場合、その広告のみが成果に貢献したと考えます。
ラストクリックは、最も費用対効果を合わせやすいアトリビューションモデルとなります。なおキャンペーンやイベントなど、短期間で完結するビジネスルに向いているモデルです。
ファーストクリック
ファーストクリックは、最初のタッチポイントのみが成果に貢献していると考えるモデルで、ラストクリックとは反対の考え方です。例えばユーザーがキーワード検索し、コンバージョン経路で複数の広告に触れたとしても、最初にクリックした広告が成果に貢献したと考えます。
ファーストクリックモデルは、コンバージョンから最も遠いユーザーとのタッチポイントを評価できるため、新しいブランドや商品を認知させるような広告やキャンペーンに向いています。認知の薄い顧客をターゲットにするのに最適なモデルです。
線型
線型モデルとは、コンバージョン経路で発生した全てタッチポイントに貢献度を均等に割り当てるモデルです。例えばユーザーがコンバージョンに至るまでに4回広告と接触したのであれば、各貢献度は25%ずつとなります。
全ての広告が等しく貢献したとみなすアトリビューションモデルなので、どのメディアや広告が機能して成果を得たか把握しやすいです。
減衰
減衰モデルは、全ての接点に貢献度を振りながらも、コンバージョンに近い接点の貢献度を高く評価するモデルです。コンバージョンに近いほど貢献度が高くなり、時間的にコンバージョンから遠いものほど貢献度が低くなります。
減衰モデルはコンバージョンに近い貢献度を重視しつつも、他の接点の貢献度も考慮しているため、慎重に広告分析ができます。ラストクリックモデルと同様に、短期間で完結するビジネスに向いているモデルです。
接点ベース
接点ベースモデルは、最初と最後に接触した広告に高い貢献度を割り当て、中間に接触した広告は相対的に貢献度が低いとみなされます。例えばユーザーがコンバージョンまでに4回広告をクリックした際、貢献度は下記のようになります。
- 最初の広告:40%
- 中間の広告:10%
- 中間の広告:10%
- 最後の広告:40%
全ての広告を評価するという点では、線型・減衰モデルと似ていますが、入口と出口の広告を重視したモデルです。そのため最初と最後の広告を重視しつつも、バランスよく評価できることが特徴となります。
データドリブン
データドリブンとは、アカウントのデータを元に各広告の実際の貢献度を計算するモデルです。広告データを元にコンバージョンを達成したユーザーと達成しなかったユーザーを比較することで、コンバージョンに繋がりやすい経路を自動で分析します。
価値の高い広告に貢献度を割り当てるモデルですが、Google広告でデータドリブンモデルを活用するには下記の条件があります。
- 3,000回以上の広告クリック
- 300以上のコンバージョン
上記のクリックとコンバージョンが必要なため、利用のハードルは高いです。しかし利用できる場合は、最も費用対効果を高められるモデルとなります。
代表的なアトリビューション分析ツール
アトリビューション分析において、顧客データを集めることで、より予算配分の最適化を図れます。そして正確な顧客データを集めるには、優良なツールを使うことが重要です。そこでここでは、効果的なアトリビューション分析におすすめのツールを3つご紹介します。無料で使えるものもあるので、ぜひ利用してみてください。
- Google アナリティクス
- Adobe Analytics
- Adjust
Google アナリティクス
Googleアナリティクスは、無料で使えるアトリビューション分析ツールです。自然検索による流入やURLを入力して訪問したユーザーなど、複数のチャネルにおいてアトリビューション分析ができます。
またGoogleアナリティクスでは、カスタムパラメータを設定することで、自然検索やGoogle広告以外のチャネルを含めた、クロスチャネルでの評価も可能です。Google広告よりも多角的に分析を行いたい方に向いているツールと言えます。
Adobe Analytics
Adobe Analyticsは、web分析からマーケティング分析、顧客インテリジェンスまで、多様なデジタル分析に対応したツールです。Adobe Experience Platformで収集した膨大なデータから、インサイトを得られます。
またアトリビューションを重視することで、優れた意思決定を支援します。強力なアトリビューション分析により的確なアクションを実施したい方におすすめのツールです。
Adjust
Adjustは、ビジネスの目標を達成するために必要なレポートとインサイトを手に入れられるツールです。有料のツールではありますが、優れたセキュリティとデータプライバシーの保証もされていることが強みです。またエキスパートによるサポートも手厚く、マーケティングの効率を大幅に向上できるツールでもあります。専門家のサポートにより効率的な分析を行いたい方におすすめです。
アトリビューション分析を始めるための3ステップ
アトリビューション分析は、マーケティング効果を測定する分析手法の1つです。アトリビューション分析をすることで、より最適な予算配分に繋がります。しかし「どうやって分析すればいいの?」と思われる方もいますよね。そこでここではアトリビューション分析を始める方法を3ステップで解説します。
- 分析ツールを選定・決定する
- 分析データを収集する
- 複数のモデルで比較を行う
分析ツールを選定・決定する
アトリビューション分析では、顧客行動のデータを明らかにする必要があります。そのため顧客行動を知る分析ツールを選びましょう。本記事でおすすめしているアトリビューション分析ツールは下記の通りです。
- Google アナリティクス
- Adobe Analytics
- Adjust
分析ツールには代表的なツールであるGoogleアナリティクスや複数のプランから選べるAdobeAnalytics、Adjustなどがあります。企業によって必要なデータは異なるため、自社に合ったツールの選択が重要となります。
分析データを収集する
分析ツールを選定したら、続いては分析データを収集しましょう。アトリビューション分析には、広告に関するデータが必要となります。具体的には下記の時系列を伴うデータが必要です。
- CV(Conversion):訪問者がアクションを起こした回数
- CPA(Cost Per Acquisition):コンバージョンに至った回数(1回)あたりの費用
- CT(Click Through):広告がクリックされた回数
- 予算
上記のデータはアトリビューションモデルを選定したり、次のマーケティング施策を実施したりするための参考となります。広告の費用対効果を高めるためにも、ツールを使用して分析データを集めましょう。
複数のモデルで比較を行う
続いて複数のモデルを使用して比較を行います。アトリビューション分析には、様々なモデルがあり、モデルによって各接点の貢献度が変わります。また積極的に事業を拡大させたい場合や慎重に事業を進めたい場合などによっても、効果的なモデルが変わるでしょう。
そのため自社のビジネス戦略に最適なモデルを選ぶことが重要です。しかし「自社のビジネスに合うモデルが分からない」という方も多いでしょう。最適なモデル選びでお悩みの方は、業者へ依頼するのもおすすめです。プロに任せることで、自社に合ったモデルを活用し、利益の最大化が期待できます。
アトリビューション分析なら代理店に依頼するのもおすすめ
アトリビューション分析を利用し、的確な予算配分をすることで、コンバージョンの最大化を図れます。しかし「分析の方法やツールの選び方が分からない」「本業で忙しくて時間を割けない」という方も多いでしょう。
そんなお悩みの方は、代理店に依頼するのもおすすめです。特に株式会社ジードが展開するサービスである「ビアフロス」では、顧客の情報収集から、営業管理、顧客管理までをトータルで行います。
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まとめ
本記事では、アトリビューションの重要性や6種類のモデルについて解説しました。アトリビューション分析は、複雑な顧客行動を明らかにできるため、よりパーソナライズされたマーケティング施策を展開できます。そのため利益を最大化する上で必須と言えるでしょう。